2018年07月17日

『朱の巫女』

脚本を務めさせていただきました、4年の呉です。


『朱の巫女』、無事に終演いたしました。今思えばあっというまの数ヶ月でした。

どんな経緯でこの『朱の巫女』が生まれたか、需要のあるなしはともかく私が書きたいので長々と書いていこうと思います。とっても長くなっちゃいました。





まずは観に来てくださった方々、ありがとうございます。公演は楽しんでいただけましたでしょうか。楽しんでいただけたなら幸いです。そのために書いた脚本です。楽しかった、面白かったと観てくれた人に思っていただくために書いたものです。

思えば私の前作は自分の好きなものをぎゅうぎゅうに詰め込んだ作品で、例えるなら私はこういうものが好きなんです、あなたはどうですか?というようなものでした。

でも今回は、いかに観に来た人を最後まで楽しませられるかに重きを置きました。メッセージ性などは置いといて、とにかく飽きさせない展開にしよう、最後にあっと驚かせよう、そんなようなことを常に考えながら、書きました。



でもやっぱり私の好きなものがぎゅうぎゅうしてるけどね!!巫女!!鬼!!幽霊!!



めぐり合わせとは面白いもので、この企画もその場の勢いのようなもので生まれました。マルチスタジオまでの廊下を活かした、和ホラーやろうよ、わー楽しそうじゃん、やろやろ〜。この会話の場に偶然居合わせ、その結果、今に至っています。

最初はその場の勢いでしたが、その会話から日が経ってからじわじわと本当にやりたくなりました。呉さんの脚本の幽霊率の高さはただなんとなくというわけではないのです。ホラーが好きなんです。小さい頃からどれだけ「怖い話」を読んだことか。大学に入ってからはめっきりだったけど高校生の頃など毎日怖い話を読んでいたことを思い出しました。この脚本にも、当時読んだ怖い話の要素が盛り込まれています。自分の幸せのために我が子を利用する母親の設定などはそうです。ゾッとするホラーが好きなのです。もし今これを打っているこの背後に誰かいたら?
ふっと顔を向けた窓の先で誰かがじっとこちらを見ていたら? ホラーは平凡な日常を簡単に非日常にしてくれます。



だから、そんなふわっとした会話から行動を移してくれた演出の吉村くんには、好きなホラーものを書く機会を得ることができて感謝しているのです。彼の稽古場日記にあるように彼と私は不仲ですが、今回のことは本当に頭があがらないです。



好きなホラーを書ける!やったー!と思いはしたものの、脚本が今のかたちになるまでずいぶん紆余曲折しました。和ホラーならまず影絵がやりたい!障子に影を映したい!そう思ったので、最初は障子の向こうに閉じ込められた少女のお話でした。手塚治虫の漫画に『奇子(あやこ)』という、地下室に幽閉された女の子のお話があり、その印象が強かったのでそのお話の少女の名前は「あやこ」にしました。結局その話はボツとなり、未練がましくこの名前は今の脚本でもちょこっと使用しました。結婚したかったねアヤコおばさま。でも今思えば障子を額縁に変えるとそれって。女の子を閉じ込めたい願望でもあるのかもしれない。

プロットが白紙になり、さあどうしようかと思ったときに浮かんだのが巫女でした。なぜ巫女なのかというとちょうど卒論のテーマが巫女に近しいものだったからです。卒論ゼミの課題で「アメノウズメノミコト」という日本神話に出てくる、巫女の起源といわれる神様を調べていたので、登場人物は「アメ」「ウズ」「ミコト」になりました。「紗枝家」も「キミ」もその関連から名前をつけましたがさすがに割愛します。

大まかな設定はこうして出来上がりましたが、ここから完成に至るまでも大きく話が変わることが何度もありました。でもそれらを全部書くのはさすがにキツいものがあると今やっと気づいたのでそれも割愛します。

強いていえば、劇中に出た「オキミサマ」は東北の「オシラサマ」が元ネタです。アメノウズメといい、私が日本・東アジア文化学科の学生であるがために得た知識が脚本のあちこちにあります。生かすことのない知識だと思っていました。でも無駄な知識なんてないのだと、勉強してよかったとしみじみ感じています。



脚本は何度もダメ出しを受けては書き直しました。でもそれは私の望む形でもありました。

これまでいくつも脚本を書いてきましたが、どれも私一人で書きました。当たり前かもしれません。しかし、今回は物語を考えるのは私一人でなく、三人でした。吉村と、そしてもうひとりの企画者である細木がいました。演出の吉村と脚本の私が大きな顔をしていますが彼女の功績も大きいのです。根詰まった私の代わりに「才能のある姉とできそこないの妹」という設定を作ってくれました。『朱の巫女』は絶対に私一人ではできなかったのです。



以前から考えていたことを書きます。

私は演劇を「集団芸術」という言葉で捉えています。集団で作るからこそ成り立つ芸術です。つまり、多くの人間が関わることによって、一人で作っていては気づけなかった視点に気づくことができます。たくさんの人の視点によって生まれる作品は、一人で作るものより確実に多くの人を満足させられるでしょう。万人に好まれる作品はないといいますが、しかしそれに近いものを作ることが可能であるはずなのです。だからこそ、脚本だって複数人で作れたらいいのに、と以前から考えていました。一人で良いものが書けたら何よりですが、しかしせっかく集団でモノを作るのなら、その根幹となる脚本も集団で作れたらと。複数の意見を組み合わせることで失敗する可能性もありますが、しかし『朱の巫女』は成功だと言えるはずです。



いつになったら「こうして脚本が完成しました」と書けるのか。次の段落が終わったらそう書くことにします。

最初に、この脚本を書くとき、メッセージ性は置いといて、と書きましたが、執筆の終盤になってこのメッセージが生まれました。「自分は何者であるのか」です。母の「自分が何者なのか常に念頭に置けば、自分のすべきことがわかるんです」というセリフは私の自虐です。私は何者なのか?というと、引退したはずの
4年生であり、就活生であり、実習前の身です。3
年生の引退公演であることを考えれば、脚本を出すというでしゃばった真似をすべきでないように思えました。それでも私は自分のやりたいことを優先させました。ただひたすらにやりたかったからです。この母のセリフに対して、最後に主人公のウズは「自分が何者かなんて、わかってる人なんているのかな」とつぶやきます。私が自分は
4
年生なのだとわかっていたら、念頭に置いていたら、きっとこの脚本は生まれなかったでしょう。しかし、多くのリスクを負ったからこそ生まれた作品であるともいえます。



こうして脚本が完成しました。

きっと部員のみんなは私のことはただの遅刻魔野郎だと思っていると思うけど、脚本は真面目なんです。ほんとほんと。



脚本が完成したあとのことは、これまでの稽古場日記を読めばわかることです。みんな本当によくやってくれたなと感心するばかりです。舞台の何もかもを作っていただきました。本当に作っていただいたという表現が正しいです。障子の引き戸も祠も灯籠も御影石の道も、神楽舞も衣装もオキミサマも、障子に映る影も、幽霊の声も、具体的にどう作るのかなんてまったく皆目見当もつかないまま放り出して私は数週間の実習に行きました。この期間、私はまったく準備がどう進んでいるのか知ることはありませんでした。無責任だったと思いますが、戻ってみればどれもこれも実際にできているのです。神楽踊ってる!!
みんな和服着てる!! 和室ができてる!! 障子動いてる!! 祠光ってる!!
うわー!なんだこれスゲー!の連続です。頭の中にしかなかったものが今目の前に存在していることが感動でした。



劇研のすごいと思うところは空想を現実にすることができるところだと思っています。これができたら、あれができたら、と空想はいくらでも膨らませられますが、それを実体化させることは並大抵のことではないはずです。しかし劇研は額縁がほしいといったら本当に作ってくれるし、ライブがしたいと言えば本当にライブをしています。特に今回はこれまでになく難易度の高い舞台だったと思いますが、実現してくれました。本当にすごいことです。誇りに思うべきだと思っています。



先輩らしく上から目線で後輩にメッセージを残します。「できる舞台」ではなく「やりたい舞台」をつくってください。いつも何かを考えるときは「できるかできないか」が最初にきますが、本当に良いものを作りたいなら「やりたいこと」が何なのかを明白にすべきです。これはとても大変なことだと思いますが、自分たちにはそれができる力があると信じてください。今回の舞台のことを自信にしてください。これから先、「こだわり」と「妥協」の間で苦悩すると思いますが、可能な限り「こだわって」ください。吉村はこの公演より大変なことはないと何度も話していましたが、私はみんながこれを超えた舞台をつくってくれることを期待しています。





もう締めに入りましょう。産みの苦しみといいますが、本当に苦労して書いた脚本でした。しかし書き進めればパズルのピースがはまっていくように完成しました。物語を紡ぐことの楽しさを思い出させてくれる脚本でした。完成した脚本をみて、この舞台を観ることができたなら私は劇研に入ってよかったと心の底から思えるだろうと、そう思うほど、愛着のある脚本でした。作りたいものを作ることができて、そしてそれを実現させてくれる人たちがいて、そして面白かったと言ってくださる人がいて、幸せな限りです。これは面白いんだと胸を張っていえる作品が作れてよかったです。


一年生には初めての公演から無理難題を強いました。二年生には入部して一年とは思えないくらいの働きをしてもらいました。三年生、引退公演に私の脚本を使ってくれて本当にありがとう。『朱の巫女』が引退公演でよかったと思ってもらえたら何よりです。




思ったよりずっとずっと長い文章になってしまいました。

何を作るにしても毎回思うことですが、この作品が部員にとっても観にきてくださった方にとっても、少しでも記憶に残る作品であれたなら幸いです。白玉を食べるときにでもふっと思い出してください。ああこんな作品があったなと。
posted by 部員 at 06:00| 東京 ☁| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月16日

青春の終演

こんにちは。演出を務めました吉村です。

まずは見に来てくれたお客さま本当にありがとうございます。有難いことに毎公演ほぼ満席の状態で上演することができました。劇を作るに当たって見てくれる人がいるということが前提にあるものなので、お客さまがいないと公演が成立しません。本当に毎度感謝しています。

さて、ここからは私の思いの丈をお話居ていこうと思います。少し長いですがお付き合いお願いします。

パンフレットにも書かせて頂いたのですがこの公演の企画は吉村(3年) 細木(3年、宣伝)呉(4年、脚本)で立ち上げました。そもそもの話、部員ならわかると思うんですけどわたしと脚本の呉はまったく仲良くありませんでした。この脚本を部内公開したときに部員はびっくりしたと思います。私は彼女の締め切りや集合時間にルーズなとこが本当に嫌だったし、あちらも僕の色々気にくわない部分があったと思います。それでも協力して続けられたのは、本当に面白く前例のないことがやりたいというチャレンジ精神の部分が共感できているのだと思います。スタンスは違っているものの意欲は並大抵のものではありませんでした。この公演で得たものはとても多いですが、失ったものもあります。
 
そこまでしてきた理由として私、3年生の代は本公演で引退だからです。3年は本当に部活に大学生活をささげている人が多く、自分もその一人でした。入学した1年次は4〜6月に夏公演、8〜9月に夏企画公演、9〜10月に部内公演、10〜12月に冬公演、2〜3月には卒業公演と年間5回休みなく部活に励んでいました。2年次も同じような形で公演を打ってどっぷりのめりこんでいました。公演期間は稽古のため、バイトが放課後に入れないので始発電車に乗って早朝バイトでお金を稼ぎ、授業に行き、部活に行く。家を出るのは早朝の4時半で帰ってくるのは毎日24時前後でした。また、1年では副部長を務め、現在は部長を務めています。本当に部活をするために学校に来ていました。部活を中心に自分の生活が構成されていました。それが昨日で終わってしまいました。この文章を書いているとどんどん自分の中で実感が溢れ出してきてとてもしいです。寂しいです。本当にこの部活が大好きだったから。その想っている分だけこの感情が込み上げてきて何とも言えない胸の苦しみを覚えます。本当に楽しかった。みんなで作っていく公演、時には意見が食い違って戦うこともあるけど最終的に目指していることはみんな同じ、お客様に楽しんでもらえることを常に念頭に置いて、そうやって団結してきた人とのこうした関わり合いの機会に幕が下りてしまう「引退」という言葉に苦しみを感じます。

 でも後悔はありません。今回の公演はかなり拘ったものをお客様に提供できたと思っているからです。自分が正式に参加できる最後の機会、今まで自分が見てきたもの、感じてきたもの全てぶつけられるような公演にしました。一番メインで考えていたことは「どうしたら見に来てくださるお客様はもっと劇の世界に入り込め、楽しんでもらえるだろうか」という事です。そこで目を付けたのはマルチスタジオまでの薄暗い道です。ここから今回はホラーにしようと思いました。空気感を歩くことで体感してもらう。今回の公演の目玉です。そして小屋の扉を開けたら舞台だけでなく、客席までもが世界にあるような演出をしたいと考えました。

ここまで思いつくのもとても大変ですが、何より大変なのはこれを実現する事です。もちろん小屋の中すべてが劇の世界なのでパイプ椅子なんて使えません。明かりは上から照明を吊っているだけでは雰囲気出ません。舞台は舞を踊るためにもつかわれる縁側です。縁側があるという事は庭があります。とても大変でした。本当に美術筆頭に作ってくれた公演参加者の方々には感謝しています。衣装もお手製で作ってもらい、制作には案内演出でいろいろと不規則になってしまい申し訳ないと思っています。立て看板や美術もきれいに仕上がりほめてくださるお客様も多く鼻が高かったです。小道具は彼女の誕生日よりも小道具作りを優先してくれたり、何回も作り直しをしてくれたりしてありがとうございます。音響照明は毎度変更を受け入れ付きっ切りで練習に付き合ってくれました。そして何より役者や舞台裏の方々。時間もなく、把握が難しい中本当によく演技もセットもしてくれました。本当に部員の力をいつも以上に感じた公演となりました。

最後にこのような公演を打て、部員とお客様に本当に感謝しています。


最後に一つ後輩に向けて伝えたい事があり、この場で全部読んでくれていると信じて書いていこうと思います。それは「アントレプレナーシップ」を持って活動してほしいということです。アントレプレナーシップとは事業の創造意欲に燃え高いリスクに果敢に挑む、起業家精神のことです。もちろんリスクの管理も大事ではありますが、現状で満足せず新しい取り組みを創造してどんどん試していってほしいです。3年の西村、渡辺と私で去年企画したこの時期の公演「ヨーロピアンロンリーピスタチオズ」はオリジナル曲をつくり、オリジナル曲を劇中で演奏するといった武蔵の劇研では異例の公演。今回の「朱の巫女」は受付を済ませた途端すぐに劇中の世界に入り込む、廊下、キャパの空間を駆使した演出。どちらとも評判良かったと自負しています。それが出来たのは公演を作っている全員の成果だとは思いますがやはり発案できる人がいないと始まりません。脚本を出す人は企画段階、参加者は公演が始動してから、一人ひとりが真剣に考え、実行できればより良い公演ができると思います。私がこの3年間程活動してきて感じた一番大事なことです。新しくやろうとすることにはいつも避難が付きまといます。挫けずに自分が信じたものを最後まで貫いてみてください。ヨロピスのバンドもあけみこの舞台のウェイトの問題でも反対する人はいましたが、意思を強く拘り持って貫き通せばいいものできると思います。
3年生はこれで終わりです。今までついてきてくれたり、ときには引っ張ってくれたり支えてくれたりして本当にありがとうございます。本当に武蔵大学演劇研究部の一員になれてよかった。こんなにみんなで本気になれてそれを見てもらえる環境があることに改めて幸せさを実感できる公演でした。今後の公演期待してます!

 3年同期ありがとう!!
本当に今までずっと一緒に公演出来て楽しかったよ。あっという間だったね。
辛いことも本当に多かったけど、公演終わったあとの達成感ほんとにすごいよね。なんて言ったらいいかわかんないや。ほんとに密度の濃い部活だったね。入部当初こんなに生活の主軸になると思ってなかったし、バカみたいにずっと一緒にいたね。
早く就活終わらせて来年夏企画やろ!!!!!!!
そつこうもどっちももっとおもしろいものつくろうね!!
posted by 部員 at 23:53| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

いままでとこれから


朱の巫女全公演終了いたしました。
観にきてくださった方々、
誠にありがとうございました。

思えば演劇研究部に入ってからいままで
公演に参加したり、観劇に行ったりと
私の生活にはいつもお芝居がありました。

箱の中でその空間にいる全員が
同じ空気と風と熱を感じられる生のお芝居が私は大好きです。

観に来てくださるお客様の大切な時間をいただいて、一度きりの空間を共有する。
これ以上の幸せはありません。

本番まで大変なことはたくさんあるけれど部員みんなが力を尽くして作り上げたものがお客様の心に届けられるように、
最高のお芝居をできるように、
自分ができる限界を追求してきました。
最後に公演を無事成功させることができて良かったです。

これで私の代はひとまず引退となりますが、これからの武蔵大学演劇研究部のさらなる成長を期待しています。
頑張れ!!!

それでは、皆様本当にありがとうございました。

ウズ役 石本郁
posted by 部員 at 23:41| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

青春の終演

こんにちは。演出を務めました吉村です。

まずは見に来てくれたお客さま本当にありがとうございます。有難いことに毎公演ほぼ満席の状態で上演することができました。劇を作るに当たって見てくれる人がいるということが前提にあるものなので、お客さまがいないと公演が成立しません。本当に毎度感謝しています。

さて、ここからは私の思いの丈をお話居ていこうと思います。少し長いですがお付き合いお願いします。

パンフレットにも書かせて頂いたのですがこの公演の企画は吉村(3年) 細木(3年、宣伝)呉(4年、脚本)で立ち上げました。そもそもの話、部員ならわかると思うんですけどわたしと脚本の呉はまったく仲良くありませんでした。この脚本を部内公開したときに部員はびっくりしたと思います。私は彼女の締め切りや集合時間にルーズなとこが本当に嫌だったし、あちらも僕の色々気にくわない部分があったと思います。それでも協力して続けられたのは、本当に面白く前例のないことがやりたいというチャレンジ精神の部分が共感できているのだと思います。スタンスは違っているものの意欲は並大抵のものではありませんでした。この公演で得たものはとても多いですが、失ったものもあります。
 
そこまでしてきた理由として私、3年生の代は本公演で引退だからです。3年は本当に部活に大学生活をささげている人が多く、自分もその一人でした。入学した1年次は4〜6月に夏公演、8〜9月に夏企画公演、9〜10月に部内公演、10〜12月に冬公演、2〜3月には卒業公演と年間5回休みなく部活に励んでいました。2年次も同じような形で公演を打ってどっぷりのめりこんでいました。公演期間は稽古のため、バイトが放課後に入れないので始発電車に乗って早朝バイトでお金を稼ぎ、授業に行き、部活に行く。家を出るのは早朝の4時半で帰ってくるのは毎日24時前後でした。また、1年では副部長を務め、現在は部長を務めています。本当に部活をするために学校に来ていました。部活を中心に自分の生活が構成されていました。それが昨日で終わってしまいました。この文章を書いているとどんどん自分の中で実感が溢れ出してきてとてもしいです。寂しいです。本当にこの部活が大好きだったから。その想っている分だけこの感情が込み上げてきて何とも言えない胸の苦しみを覚えます。本当に楽しかった。みんなで作っていく公演、時には意見が食い違って戦うこともあるけど最終的に目指していることはみんな同じ、お客様に楽しんでもらえることを常に念頭に置いて、そうやって団結してきた人とのこうした関わり合いの機会に幕が下りてしまう「引退」という言葉に苦しみを感じます。

 でも後悔はありません。今回の公演はかなり拘ったものをお客様に提供できたと思っているからです。自分が正式に参加できる最後の機会、今まで自分が見てきたもの、感じてきたもの全てぶつけられるような公演にしました。一番メインで考えていたことは「どうしたら見に来てくださるお客様はもっと劇の世界に入り込め、楽しんでもらえるだろうか」という事です。そこで目を付けたのはマルチスタジオまでの薄暗い道です。ここから今回はホラーにしようと思いました。空気感を歩くことで体感してもらう。今回の公演の目玉です。そして小屋の扉を開けたら舞台だけでなく、客席までもが世界にあるような演出をしたいと考えました。

ここまで思いつくのもとても大変ですが、何より大変なのはこれを実現する事です。もちろん小屋の中すべてが劇の世界なのでパイプ椅子なんて使えません。明かりは上から照明を吊っているだけでは雰囲気出ません。舞台は舞を踊るためにもつかわれる縁側です。縁側があるという事は庭があります。とても大変でした。本当に美術筆頭に作ってくれた公演参加者の方々には感謝しています。衣装もお手製で作ってもらい、制作には案内演出でいろいろと不規則になってしまい申し訳ないと思っています。立て看板や美術もきれいに仕上がりほめてくださるお客様も多く鼻が高かったです。小道具は彼女の誕生日よりも小道具作りを優先してくれたり、何回も作り直しをしてくれたりしてありがとうございます。音響照明は毎度変更を受け入れ付きっ切りで練習に付き合ってくれました。そして何より役者や舞台裏の方々。時間もなく、把握が難しい中本当によく演技もセットもしてくれました。本当に部員の力をいつも以上に感じた公演となりました。

最後にこのような公演を打て、部員とお客様に本当に感謝しています。


最後に一つ後輩に向けて伝えたい事があり、この場で全部読んでくれていると信じて書いていこうと思います。それは「アントレプレナーシップ」を持って活動してほしいということです。アントレプレナーシップとは事業の創造意欲に燃え高いリスクに果敢に挑む、起業家精神のことです。もちろんリスクの管理も大事ではありますが、現状で満足せず新しい取り組みを創造してどんどん試していってほしいです。3年の西村、渡辺と私で去年企画したこの時期の公演「ヨーロピアンロンリーピスタチオズ」はオリジナル曲をつくり、オリジナル曲を劇中で演奏するといった武蔵の劇研では異例の公演。今回の「朱の巫女」は受付を済ませた途端すぐに劇中の世界に入り込む、廊下、キャパの空間を駆使した演出。どちらとも評判良かったと自負しています。それが出来たのは公演を作っている全員の成果だとは思いますがやはり発案できる人がいないと始まりません。脚本を出す人は企画段階、参加者は公演が始動してから、一人ひとりが真剣に考え、実行できればより良い公演ができると思います。私がこの3年間程活動してきて感じた一番大事なことです。新しくやろうとすることにはいつも避難が付きまといます。挫けずに自分が信じたものを最後まで貫いてみてください。ヨロピスのバンドもあけみこの舞台のウェイトの問題でも反対する人はいましたが、意思を強く拘り持って貫き通せばいいものできると思います。
3年生はこれで終わりです。今までついてきてくれたり、ときには引っ張ってくれたり支えてくれたりして本当にありがとうございます。本当に武蔵大学演劇研究部の一員になれてよかった。こんなにみんなで本気になれてそれを見てもらえる環境があることに改めて幸せさを実感できる公演でした。今後の公演期待してます!

 3年同期ありがとう!!
本当に今までずっと一緒に公演出来て楽しかったよ。あっという間だったね。
辛いことも本当に多かったけど、公演終わったあとの達成感ほんとにすごいよね。なんて言ったらいいかわかんないや。ほんとに密度の濃い部活だったね。入部当初こんなに生活の主軸になると思ってなかったし、バカみたいにずっと一緒にいたね。
早く就活終わらせて来年夏企画やろ!!!!!!!
そつこうもどっちももっとおもしろいものつくろうね!!
posted by 部員 at 20:34| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

戻れない

普通の生活に戻れる気がしない。
これが公演を終えた今、私が思うことです。
実際今日は戻ってこれなくて上の空状態でドイツ語の授業を受けていました。
毎日毎日寝ても覚めても稽古稽古な日々で、睡眠時間は削られるし夜ご飯ろくに食べられないしで体調崩しかけたり、演技で上手くできないところがあって悔しい思いをしたりと体力的にも精神的にもかなりしんどくて、なんでこんなにしんどいのに続けてるのだろうと思うこともしばしばありました。
だけどやっぱり、終わった後のあの感じにはどんなこともかなわないんだよなあ。
あの感じが忘れられなくて大学でも演劇をやろうと決めたんだ。(中高で演劇をやっていました)
自分の中でこれだけは何がなんでも譲れない。譲りたくない。そう思えるもの、それが演劇。
今回の公演で演劇に対する思いが強くなりました。また同時に、劇研に対する思いも。
ここが私の居場所だ、軸だ。
武蔵大学演劇研究部2018年度夏公演、『朱の巫女』にご来場いただき誠にありがとうございました。
なかなかあつ〜い夏にピッタリの作品だったでしょう?
これからもどんどん面白い作品をやっていこうと思っていますので、お時間あればぜひマルチスタジオへ!
以上、アメこと徳原でした。
posted by 部員 at 20:11| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

母に始まり母に終わる5%

高校3年生の夏休み、とある映画に出会いました。純粋にストーリーが好きだったので、受験期にも関わらず、何度も夜更かしをして観ていました。

ある日、その作品に出演している俳優さんの素の姿を見ました。するとなんということでしょう。全くキャラクターが違うのです。演じているから当たり前なのですけど。でも、はっちゃけたタイプの人がクールな役をやっている。人ってこんなに変われるのかと驚かされ、私も自分ではない誰かになってみたいと思いました。
元々演技に興味があった私ですが、始める機会がありませんでした。その作品、俳優さんとの出会いが、私が演劇研究部に所属するきっかけとなります。

「役者をやりたいです!」と意気揚々と入部し、1年の夏公演では役者をやらせていただきました。母役でした。
でも、その後の道程は険しく、役者に選んでもらえなかったこともありました。自信喪失することも少なくありませんでしたが、先輩方からありがたい言葉を頂くこともあり、「それでも役者をやりたい」という気持ちを維持することができています。今でも。

今回やった母役は、今までの中で一番私を出せた気がします。本当に楽しかった。最後にこの役をやらせてくれた演出さん、本当にありがとう。

単位は引退してからでも取れます。ですが、「朱の巫女」は、今しかできませんでした。だから、夏公演に注力したことに後悔は全くありません。自身の引退公演としてこの素晴らしい作品を作り上げることができて本当によかったです。ここまで切磋琢磨してきた仲間たち。私のモチベーションの支えになってくれた全ての人たち。そして、今公演を成功へと導いてくださった、ご来場いただいた皆様。
本当にありがとうございました。

私はこんなよくできた仲間を持つことができて幸せです。ほかの3年生もきっとそう思ってくれているでしょう。
引退なんて遠いものだと思っていましたから、まだ信じられないですけど、これならもう安心して引退できますね。

それでは、今日はしっかり休んでください。
posted by 部員 at 17:39| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

ブレイクダンス 3号

ざまちだよ〜〜〜〜〜きらきらきらきらきらきら
今日もざまちの稽古場日記を見てざまざましてね〜〜〜!!!




















っていう気分ではないのです。てへウインク
夏公演が終わっちゃったんだもん。寂しいです。

千秋楽から1日が経ったんですけど、一気に夢から帰ってきたみたいな気分です。
楽しい事ほど、時間が過ぎるのが早いんですよね。もうちょっとゆっくり時間が流れてもいいのにね?


楽しかったこともあったし、大変だったこともありました。嘘でしょ?となる出来事もありました。今振り返ると、確かに忙しくて、立ち止まる余裕なんてなかったけど、でも楽しかった。たくさんの思い出ができました。全部良い思い出です。



さて、私は今回演出助手だけではなく、幽霊役もやらせて頂いていました。カーテンコールの時に、障子裏でなんか色々やっていたやつです。

幽霊が出てくるのは少しだけ。でも朱の巫女の世界において、かなり重要な役だったと思っています。

幽霊役は一言でいうと、すごく楽しかったんです。暗転中に祠を壊したり、母の目の前に現れたり。自分の出番だ!っていう時のドキドキがすごかったです。祠をいじっている時、すぐ近くにお客さんがいることが、真っ暗な中でもわかりました。ゲネの時とは全然空気が違うものだから、初日は特に緊張しました。
昨日友達が観にきてくれていたんですけど、頑張ったね、すごかったよって言ってもらえました。それがものすごく嬉しかった。

他にも、裏で幕を開けたり障子を開け閉めしたり。裏導線って大事だなと今回しみじみと感じました。照明や音響、舞台に小道具。そして裏導線の動きがうまく合わさってこその演劇だな〜って。


もう、本当に楽しかったんです。今後も、劇研に対して全力で取り組んでいきたいです。何なら勉強よりも大切なものになりつつあっています。それくらい夢中になれる部活なんです。


打ち上げでは1割かそれ以下しか伝えられなかったけど、これが私の言いたいこと全てです。劇研はいいぞウインク



最後に、朱の巫女を観にきて下さった皆様、本当にありがとうごさいました!

以上!ざまち(もちはる)でした!
posted by 部員 at 11:51| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

オフトゥンが恋しい

無事に千秋楽を終えました。
今回役者をやらせて頂きました、2年の橋本です。

今回の公演は私達が初めて先輩として迎える公演であり、また3年生の引退公演でもあります。

この公演で一番思ったのは、「1つ学年が上がるだけでこんなにも景色が違うのか」ということです。
後輩に教えながら公演を作っていくというのは、やはり1年生のときには味わえない感覚です。今までは自分がどのように、どれくらい動けばいいのかだけを考えていましたが、後輩が出来た今では、どのように教えればいいか、またどれくらい後輩にやらせてあげるかということを考えて動かなければなりません。
改めて先輩方は様々なことを考えていたんだと実感しました。

そしてもう1つこの公演で感じたのは「同期の成長」です。
ちょうど1年前の「ヨロピス」では右も左もわからなかった私達ですが、今ではほとんどの役職で私の同期がトップになっています。私は今までの公演でずっと稽古場にいてスタッフ側の方たちのことはあまりじっくりと見たことがなかったのですが、今回やらせて頂いた役の出番が多くなかったこともあり、稽古場外の役職の方たちにも注目することができました。1年前よりもたくましくなった同期の姿をみて、私も今のままでは駄目だと思えました。

最後に、「朱の巫女」にご来場いただいた皆様へここから感謝いたします。本当にありがとうございました。

以上、徹夜明けで眠気と格闘中の橋本でした。
posted by 部員 at 11:34| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月13日

ブレイクダンス V2

どうも。前回の稽古場日記から9日後、2度目の登場、1年の廣川です。

今日は1回目の公演がありました。
実際に公演に出させてもらった感想は、率直に楽しかったです。昨日のゲネとはまた違う雰囲気で、緊張もありながら楽しくやらせてもらいました。

唯一の不安としては、裏導線が真っ暗で暗転中は何も見えないことと、暗転中に完璧に暗幕を閉めたと思ったら明転したら意外と少し開いていてドキドキしてしまうことと、裏導線の自分の仕事を忘れてしまうんじゃないかということです。

「唯一の」とはじめに書いておきながら、書いているうちに3つほど出てきてしまいました笑

でも、思っていた以上に楽しくやれているのはいいことだと思っています。



今、ふと感じるのは、たくさんの人に支えられているなということです。稽古場でも、照明でも、その他の場でも基礎も何もできていない自分を先輩だったり、同期が優しく一から教えてくれて、なんとかやれています。

本当にありがたいし、感謝の気持ちでいっぱいです。迷惑をかけていることも多々ありますが、まずは公演が終わるまで、あと二日間よろしくお願いします。


真面目な感じになってしまいましたが、いつか昨日稽古場日記を書いていた、自転車でブレイクダンスをした子にやり方を教わりたいなと思っている廣川でした!

冗談はさておき、「朱の巫女」よろしくお願いします!
posted by 部員 at 23:14| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2018年07月12日

ブレイクダンス

こんばんは。今回演出助手という名の小道具やってます1年のいかです。人より口の回るメガネの人です。きっと稽古場日記も長くなるでしょう。

何故こんな下っぱが公演ギリギリまで稽古場日記を書いていなかったかといえば、約3週間前に自転車でブレイクダンスをかまして松葉杖生活を送り、つい昨日部活に復帰したからです(未完治)。ホラー作品にありがちな、携わったひとが不可解な怪我をする曰く付きのアレかもしれないです。
大事な時に怪我をした私に対して、優しい言葉をかけてくれた先輩方や同期の皆には頭が上がりません。3年生の先輩方はこれで引退だというのに一体全体何事だ。

たたきにも仕込みにも参加していないので、気がついたら舞台ができてて気がついたら本番です。私は本当にこの公演に携わっているのでしょうか。疑問です。ほぼほぼ何もしてないので1人冬公演でテンパることでしょう。なんてこった。

さてさて今日はゲネプロでした。色々と問題点があったりなかったりバタバタしてたりしてなかったりですが、下手に動くとみんなからもリハビリの先生からも怒られるので大人しく事務作業していようと思います。
今公演、やばすぎて今後の公演が余裕になるという噂がまことしやかに流れていますが、一番やばい時にいなかったのでやはり私は冬公演でテンパることでしょう。

「朱の巫女」明日、初日です。ありがたいことに予約は埋まっているようです。当日券もキャンセル待ちとなります。14日と15日は若干枚の当日券がありますので、まだ悩んでいるという方もぜひ足をお運びいただければと思います。

やっぱり長かった。
posted by 部員 at 22:45| 東京 ☀| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする